◆委員(井上ノエミ君)
まず、中学の英語教育についてお伺いします。
今、日本ではグローバル人材を養成することが社会全体で求められています。そして、学校でも英語教育を変えて、英語でコミュニケーションできる人を育てることが求められています。
日本人は中学から英語を勉強しますが、英語でコミュニケーションできる人は大変少ないです。英語の先生が英語を話せないから、生徒が話せないとよく言われています。先生が英語ができなければ、生徒ができるようにはなりません。中学の英語の先生には、英語ができる人がなるべきだと思います。
そこで、お伺いします。墨田区の中学の英語の先生は、全部で何人いますか。そのうち何人の先生が英検やTOEICの試験を受けていますか。お伺いします。
若い先生は、英語が上手だと聞いています。墨田区の英語の先生のTOEICの点は幾らでしょうか。また、英検の1級、準1級を持っている先生は何人いますか。お伺いします。
◎指導室長(橋爪昭男君)
中学校の教員の英語のレベルを上げることは、大変重要なことだと思っております。
しかしながら、英検等の資格については、個人の資格でありますので、特に教育委員会としては調査しておりません。
英語の教員は36人おります。その中で、かなりの数の方はそういう資格を持っていると考えられます。教員免許を取得して、採用試験に合格すれば英語教員となることができますので、そのような資格の有無で教員になれないということはございません。
◆委員(井上ノエミ君)
墨田区として、中学の英語の先生のレベルをどのように考えているのか。
また、先生の英語力を向上させるためには、何をやるべきと考えていますか。お伺いします。
◎指導室長(橋爪昭男君)
どの教員にも資格を強制的に取らせるということはできないと思いますけれども、やはり、英語のレベルを上げることが必要だと考えております。自己の資質向上のために、かなりの数の教員が資格試験を受けているというふうに認識しております。
墨田区教育委員会といたしましては、英語のレベルを上げるという意味で、中学校の教育研究会で、英語教員が集まって、指導技術の向上に向けた授業研究、協議をしております。また、外部講師を招いて、指導助言を受けております。
また、10年に1回の免許更新がありますけれども、その際には、大学等で英語の講習を受けるということになっております。そういう機会で、英語のレベルが上がると思います。
本当に生徒にとって、英語の教員の英語のレベルは非常に大事だと思いますので、そういう意味で、資質向上のためにいろいろな研修をするように、これからも働きかけていきたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、165ページのいじめ対策についてお伺いします。
墨田区の小学校と中学校には、スクールカウンセラーが配置されています。墨田区のいじめ対策は、スクールカウンセラーが中心になって対応していると思います。
今回、いじめの調査を実施して、墨田区の学校には多くのいじめがあることが分かりました。いじめ対策が十分な成果を上げていないと思います。
2,500万円を使ってスクールカウンセラーを置きましたが、余り効果がないようです。学校では、多くのいじめがあります。スクールカウンセラーは非常勤職員です。1人のスクールカウンセラーでは限界があります。
また、いじめは日本全体で大きな問題になっています。
しかし、墨田区の予算2,500万円は少ないと思います。まず、カウンセラーのプログラムを見直す必要があると思います。そして、十分な予算も必要です。ほかの事業の予算を少し減らして、いじめ対策に重点的に予算を付ける必要があると思います。
そこで、まず質問しますが、スクールカウンセラーが受けた相談件数は、昨年は何件でしたか。また、いじめを受けた子どもの何%ぐらいがスクールカウンセラーに相談しているのか、お伺いします。
◎指導室長(橋爪昭男君)
スクールカウンセラーがいじめに関して相談を受けたというのは、87件中33件で、全体の38%がいじめの相談になっております。これは、今年度の数字でございます。
◆委員(井上ノエミ君)
1人のスクールカウンセラーが平均で何人ぐらいの子どもを受け持っているのか、お伺いします。
◎指導室長(橋爪昭男君)
学校の規模によってもさまざまでございますけれども、平均すると1年間に1人のスクールカウンセラーが受け持つのは、延べ180件です。これは延べ件数でございますので、同じ子どもが入っていることもあります。
◆委員(井上ノエミ君)
私は、スクールカウンセラーのプログラムを充実させれば、いじめ対策に効果があると思います。大津市のいじめの事件でも分かりますが、一つのいじめを解決するのはとても大変です。いじめられている子ども、いじめている子どもたち、担任の先生、子どもたちの親、多くの人と話合いをして、いじめを解決していく必要があります。担任の先生は忙しいですから、スクールカウンセラーが子どもの相談に乗るだけでなく、多くの人と相談して、いじめを解決していくべきです。そのためには、かなり時間がかかります。スクールカウンセラーの勤務時間を増やす必要があります。
また、スクールカウンセラーは、余り若い人では難しいと思います。社会経験のある人が望ましいと思います。有能なスクールカウンセラーを見つければ、いじめ問題の解決に大変役立つと思います。学校の校長や教育委員会のサポートも大変大事です。教育委員会には、是非、有能なスクールカウンセラーを見つけてもらいたいと思います。
そこで、お伺いしますが、スクールカウンセラーによって、実際にいじめが解決されたケースはありますか。幾つ解決されているか、お伺いします。
◎指導室長(橋爪昭男君)
ここでお断りしておきますけれども、スクールカウンセラー1人で解決するということは、なかなかございません。例えば、スクールカウンセラーが窓口になって、その後、学校の組織として担任の先生から管理職、養護教諭などを交えて、その中にスクールカウンセラーに入っていただいて解決していっているというのが実態でございます。
そこで、スクールカウンセラーも一緒に入って解決したケースということで、これは今年度の数字ですけれども、87件中53件が解決されています。
しかしながら、解決したといっても、また別の形でいじめが起きるのではないかということで、学校には更に慎重に調べてほしいというふうに指導しております。
また、スクールカウンセラーですけれども、臨床心理士の資格を持っている方ですので、どなたも有能な方というふうには思っております。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、学力向上プロジェクトの調査結果についてお伺いします。
この結果を見ると、大変不安です。墨田区の子どもたちの学力が、全国平均より悪いことが分かりました。これは、何とかしなければなりません。
中学では、全部の科目で全国平均より悪いです。小学校では、4年生以上の学年で算数が全国平均より悪くなっています。小学校では、読み、書き、そろばんが基本であると言います。基礎学力である算数を何とかすべきです。小学校で遅れるから、中学で遅れるのは当然です。
また、そのためには、点数の低いDレベルの層にいる子どもたちの学力を向上させる必要があります。この子どもたちは、どんな子どもたちですか。男の子ですか、女の子ですか、外国人ですか、どこの学校にいますか。よく分析する必要があります。
墨田区には、今、多くの外国人の子どもたちがいます。日本語ができない子どもたちも多いです。日本語ができない子どもたちの学力を日本人と比べることはできません。
また、貧困家庭の子どもたちも、今、増えています。学力が低い原因を分析して、対策を立てていただきたいと思います。
これからどのような対策をとっていくのか、お伺いします。
◎すみだ教育研究所長(渡部和美君)
ただいまご質問がありました学力D層の子どもたちとは、学力不振の子どもたちのことを指しています。男の子も女の子も、それからどこの学校にも、このD層の子どもたちはいます。
要因としては、さまざまなものが考えられます。家庭で学習ができない環境にある子、発達障害を持っている子、言葉の問題を抱える子などは、学習に対するハンディがあるわけですから、学習の遅れが出る可能性は高いと考えられます。
D層の子どもたちへの取組ですけれども、授業中の学習支援、放課後等を利用した補習を実施しています。算数も課題があることは認識しておりまして、各学校では放課後学習クラブに算数の学習を取り入れています。
また、言葉の問題を抱えている子には、これらの支援のほかに日本語通級指導教室やすみだ国際学習センターを設置して、支援の充実を図っているところです。
現在、学力D層の子たちに対する目標値を設定して行っております。
今後につきましては、放課後学習クラブの強化を考えているところです。
○委員長(福田はるみ君)
以上で、みんなの党の質疑を終了いたします。